DVD化を望むファンも多い、ディズニー実写映画の名作!の好きなとこ

※内容に触れる箇所があります。

これはまさに、隠れた名作と言えるでしょう。

ディズニーですが、DVD化されておらず、dtvなどで動画配信されていました。レンタル料金330円でした。(2021.10月現在)

僕は子供の時分に、テレビ放映で観たのだと思います。この映画のファンの方もおっしゃってますが、なんでDVDになっていないのだろうと、未だに不思議に思っています。

オズの魔法使いの続編です。カンザスシティから戻って来たドロシーが、精神科にかかっている、という設定から物語が始まります。要はおかしなことを言う、困った娘扱いです。当時子供だった僕の心境としては、ドロシーに対してのエムおばさんの頑固さや迷惑がる態度には、腹が立ちましたね。

今では彼女の気持ちを尊重できますけれど笑

ドロシーはエムおばさんとヘンリーおじさん、そして犬のトト、雌鶏のビリーナと一緒に暮らしています。おじさんは竜巻にやられて壊れた家の修繕をしているようですが、一向に進んでいません。パイプを吹かして、いつも何かべつのことを考えているようです。

そんな中、ドロシーはビリーナが生んだ卵のそばで、オズの国の鍵を見つけます。ここのシーンが好きです。

鍵の持ち手部分(オズと読めるような形になっている)につまった土を手で払い、取り切れない土を小枝を使ってほじくるのですが、一生懸命にほじくる彼女の表情がいいです。

この役が彼女(フェアルザ・バルク)以外で演じられていたら、これほど名作にはなっていなかったように思います。

ドロシーは「Оと、Zで……オズよっ」と叫ぶんですが、吹替の声と表情豊かな彼女の演技が、心をつかんで離してくれません。

彼女は全力疾走でエム小母さんのもとへ駆けていきます。

何をするにも全力を尽くす彼女に、エムおばさんはうるさがります。たしなめても聞かないドロシーを、とうとう病院へ連れて行きます。

不気味な病院のシーンは終始暗く、恐ろしさを演出するお決まりの連続がやってきます。

謎の人物が登場し、病院を抜け出したドロシーは、大雨の中必死で追手から逃げるあまり、そのまま林を通る激流にのまれ、オズの国へと舞い戻って行きます。

この映画の素晴らしいところは、魔法の演出や小道具、サブキャラの魅力が、群を抜いて立っているところだと思います。

ランチの木というのが出てくるんですが、名前の通り、木にランチボックスが生っているんです。なんていう設定でしょうか。

高さニ十センチ、幅十三センチほどで、熟したものから、熟していないものまで、葉っぱがついた筒状の缶の中に、紙ナプキンに包まれたランチが入っています。

可愛すぎますね笑

ランチの中身はむろん米国製。ドロシーはサンドウィッチを当てておしゃまに喜びます。

もぎ取る時の効果音がたまりません。

無残に破壊された黄色いレンガの道に立つドロシー。

割れたレンガを持ち上げた時のコトっという音、あんなに美しかったオズの国に何が起こったのか、ビリーナに感情をぶつけ、慌てるドロシーが鳴らす靴の音。

聞き心地のいい効果音がふんだんに使用され、荒れ果てたオズの国にどんどん引き込まれて行きます。

途中ホイーラーズという、悪党たちに囲まれます。

長い手足の先についた車輪を回しながら、軽薄な口調でドロシーを脅し、オズの国から追い出そうとします。

逃げるドロシーたちの前に、ロボットのティックトックが現れ、最強の味方になってくれます。

ゼンマイ式のロボット。ドロシーが金属製のボディをバンバン叩くように払い、埃をとるところがいいです。

そこに説明書きが書いてあるんですけど、「考えるネジ」と、「動くネジ」があるっていう、ユニークな発想には、今になっても感心してしまいます。

真っ白な蜘蛛の巣だらけのネジを、一切気にせずに巻くドロシー。結構な量の蜘蛛の巣です。

あんな状態で現れたら、日本人なら、おそらく綺麗に取りのぞいてから巻くんでしょうが、向こうの人はそういうところ、本当気にしません。巻けるから。そうした感覚の違いがはっきり分かるため、見ていて面白いんです。

蜘蛛の巣がねじれていくさまだけでも楽しませてくれる演出は見事ですね。

モンビ王女の宮殿での首変えの仕掛けは、子供ながらに引き込まれました。

数十種とある、生きた首が並んだガラス扉を、綺麗な鍵でカチャリと開けます。

おぞましい設定ですが、彼女の欲望の深さが芯に伝わって来る、異質な場面となっています。

モンビ王女からの逃走シーンも楽しませてくれます。

魔法の粉をつかって、ガラクタ船を作るんですけど、魔法のルールがきっとある中でも、仕組みがめちゃくちゃに思えて可笑しいです。魔法の粉をかけるときの呪文も、聞き取りづらいがゆえに、一生懸命なドロシーがいい味出してくれます。

大鹿の頭とパンプキンヘッドが仲間になりますが、僕は子供のときからこのカボチャがどうも苦手でした。なんか、よく分からないんですけど。

今観直したら、印象は変わるかもしれませんが。

ノーム王との接見シーンや対決シーンも見ものです。

勝負の前にケーキと飲み物を出してくれるんですけど、それが美味しそうで美味しくもなさそうで、当時は食べてるドロシーたちが、どちらにしろ羨ましくてたまりませんでした。

味はどう? と聞かれたドロシー。「うん、いいわ」と大人びた感じで答えます。

面白いですね。

対決シーンでは、仲間たちが一人二人とやられていく中で、ドロシーは勝利の道を見つけます。

溢れんばかりの美しい装飾品が並んだ空間で、姿を変えられた仲間を助け出していくんですけど、ちょっと説明不足の不利な戦いだったように思います。

ノーム王の狡猾さが、遺憾なく発揮される場面です。

ドロシーは、そんな相手にも臆することなく自己主張し、堂々と渡り合っていきます。

終わりはもちろんハッピーエンド。

少し怖さや不気味さを残しつつ、子供心にたくさんの夢を残してくれる、一度は観てほしいと思う名作です。

やはり、DVD化はしてほしいなと、個人的にも改めて望みました。

オズの国の魔法なら、きっと簡単に叶えてくれるのでしょうけれども。

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